『カメラの前で見せてくれる少女たち』設定
「ねぇ、みと……このあたり、台風中継の有名スポットだって知ってた?」
通学路を並んで歩きながら、親友のシーナが訊いてくる。
「え……ぜ、ぜんぜん知らなかった」
「今日って台風来てるじゃん。だからホラ、あそこ……テレビカメラがずらっと並んでる」
「ホントだ」
「なんかビルの位置関係で、この辺にはいい風が吹くらしいよ」
「いい風……って?」
「パンチラだよ、パンチラ! 風でスカートがぶわってなるのを狙って、テレビカメラが集まるってわけ」
「……な、なるほど」
感心した風を装っているけど、シーナの言ったようなことは、ずっと前から知っていた。

私の名前は、大澤みと。
11歳。
運動得意、勉強ニガテ、手先は不器用。
ごく普通の小学生……のはずだった。

最近になって知ったのは、自分がヘンタイだってこと。
どんなふうにヘンタイかっていうと、恥ずかしいカッコを誰かに見られたい願望っていうか……。
今日だって、制服の下はノーパン。
台風が来てるのに、
中継スポットが通学路にあるっていうのに、
それなのに私、ぱんつはいてない……

もし、テレビカメラの前でスカートがめくれちゃったら、私のアソコが全国のお茶の間に流れちゃうんだ……
ううん、それだけじゃない。
録画してネットにアップなんかされたら、世界中に……。
私の恥ずかしい恰好を見ながら、おなに~するヒトとかいるのかな。

さっきから、そんなことばっか考えてコーフンしてる。
もうすぐテレビカメラの前。
ドキドキが止まらない——




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